解体工事って、費用が高くつくので大変ですよね。
しかし、手続きの方法によっては、費用をグッと抑えることが可能です。
例えば、解体工事の手続きは、住宅メーカーにすべてお願いするより、自分で手配した方が金額が低く抑えられます。
そこで、この記事では、解体工事の手続きをする前に行うべき各種届出や準備について詳しく解説していきます。
解体工事の手続きは、費用をグッと抑えられるポイント。
本記事が、費用を抑える参考に少しでもなったら幸いです。
解体工事を行う前に必要な各種届出と手続き
ご所有の住宅を解体するのに、その地域の自治体に届けを出す必要があります。諸手続きは以下の通りです。届け出義務は誰なのか、解体業者なのか施主なのか、チェックしておきましょう。解体工事前後は、荷造り等で時間に追われる時期ですので、事前に諸手続きの流れだけでも把握しておくとよいでしょう。
役所への各種書類申請
こちらは委任状という形で、解体工事業者にお願いすることができます。未提出や届け出・手続きの不備などありましたら罰則規定がありますので気をつけてくださいね。
工事日の7日前までに建設リサイクル法の事前申請をする
建設リサイクル法の事前申請は工事日の7日前までです。依頼する解体業者さんは余裕を持って決めておきたいですね。
なお、建設リサイクル法は、書類の提出が義務付けられています。
道路使用許可申請
解体工事は、資材の搬出等の関係で道路使用許可を申請する必要があります。道路使用許可申請は、作業者(解体工事業者)が提出することが義務付けられています。
道路交通法によると、交通の妨げとなる可能性のあるものを道路に置くことや、道路上の人や車などを損傷させるような危険な行為は禁止されています。しかし、作業や工事、お祭りなどの様に、「公益上、社会慣習上、道路の使用がやむを得ない」と認められるものについては、道路の使用申請書を提出することで、交通の妨げにならない範囲で利用が可能です。
道路使用許可申請は、申請を義務付けられています。この手続きは、解体工事業者が有償で行うことが一般的です。
契約の際は、解体工事の契約の際に、以下の項目が書かれているかもしれません。
道路使用許可書申請費 〇〇円
このように、契約の内容に盛り込まれている場合もあります。ちなみに施主(解体工事依頼主)が、この申請書を提出するのも可能です。発注する前でしたら、値引きをする代わりにこちらの費用がサービスしてもらえる場合もありますので、交渉してみてください。
この道路使用許可申請ですが、自分で手配することも可能です。自分で行った場合、業者に委託するよりも金額は抑えられます。申請自体はそれほど難しいわけでもなく、道路使用許可申請書に必要事項を書くことでできます。
ライフラインの停止を管轄の事務所や会社に依頼
解体工事前には、水道以外のライフラインのすべてを停止させる必要があります。電気、ガス、電話回線、インターネット回線などは、管轄の事務所、会社に依頼をします。
電話の際には、「解体工事をしますので、手続きを教えてください」とお伝えしましょう。その場で丁寧に説明や手続きをしていただけます。
水道は、解体業者が工事中に散水のために使用することがあります。止める手続きに関しては、解体業者と打ち合わせの上撤去の手続きを行ってください。
浄化槽の汲み取り(中身の処理)依頼
浄化槽を使用している場合、解体業者に撤去して貰う必要があります。
そのままでは解体業者も撤去することは出来ないので、浄化槽の汲み取り作業をあらかじめ業者に依頼して、きれいな状態にしておくことが必要です。各市区町村によって、浄化槽の扱いは変わってきますので、問い合わせてください。
汲み取り後の浄化槽であれば、解体業者が撤去することができるのでお願いしましょう。金額も大きさによって変動しますが、5~7人槽であれば、3万円~5万円程度の追加料金が相場です。しかし、この項目がなかったり、極端に金額が低い場合は、撤去ではなくその場に埋めてしまう砂埋め方式を採用する場合があります。
浄化槽の砂埋めは、廃棄物処理法違反とされ、処罰される可能性が高いため、撤去してもらうようにしてください。
解体工事業者から出されたお見積りも確認してみましょう。
アスベストが使われている場合の手続き
解体する家屋にアスベストが使われている場合、「特定粉じん排出等作業実施届出書」の届け出が必要です。
特定粉じん排出等作業実施届出書は、アスベストを含む建材が使用されている建物を解体または改修する際に提出が必要となる届出書で、以下のように基準が定められています。
- 使用されている石綿含有吹付け材の面積が15m²以上
- 建築物の延べ面積(建築物以外の工作物の場合には築造面積)が500m²以上
なお、届出は作業開始日の14日前までに発注者または自主施工者が行います。
届け出先は現場の住所や建築物の大きさによって異なりますので、現場のある市区町村のホームページ等で確認する必要があります。
近隣の方に工事を行う旨を知らせる
近隣の方へ、工事を行う旨の説明会を行います。解体工事を行う際(建設工事でも同じことが言えますが)近隣の方への配慮を行うことで、後々のトラブルを避けることができます。
説明会といっても、セミナールームなどで行うわけではなく、看板や標識で終わらせてしまうところもあるでしょう。また、文書を作成し、ポストに投函する方もいらっしゃるでしょう。しかし、長年お世話になっていることも考えるのであれば、1軒ずつ丁寧に挨拶しながら、文章を渡していくという形が、トラブル回避という観点で考えるとベターです。
近隣挨拶をする際は、解体工事を行う責任者と挨拶に行くのが好印象です。丁寧な挨拶を心がければ、クレームになりにくいということもあります。
また、市区町村によって違いますが、延べ床面積の合計によって、役所に届け出を出さなくてはならないケースもあります。
井戸の処理の検討
井戸の「解体・撤去」を行う際、注意するべきことがあります。古くからある井戸は、その先祖代々の生命を支えてきたもの。そのまま解体工事に入るより、地元の神社に相談し、お祓いをお願いするのがいいでしょう。感謝の気持ち伝えるということで、神社の方にお払いのお願いをするのが一般的です。
お祓いの手順を示していただいた後は、お祓いを実行します。
その後、解体工事業者にお願いするといいです。相見積りを選んだところから、どういった工事のプランを示してくれるのか、より丁寧で具体的な説明をしてくれる解体業者がいいでしょう。
家屋の解体後に行う手続き
家屋の解体が完了した後にも、必要な手続きが2つあります。
家屋解体後の手続き | 手続きに必要な書類 | 特徴 |
---|---|---|
建物滅失登記の申請 | 建物滅失登記申請書 登記簿謄本 案内図 取り壊し証明書 解体業者の登記事項証明書 解体業者の印鑑証明書 実印・印鑑証明書 委任状(土地家屋調査士に依頼する場合) |
建物滅失登記申請は、土地から建物がなくなったことを登記するための手続きです。家屋の解体が完了してから1か月以内に、必要書類をそろえて法務局に申請します。 |
工事中に使用した水道の停止 | なし | 家屋の解体中は散水を行うため、水道を使用します。そのため、工事が完了したら水道を止める必要があります。電話などで手続きを行うことが一般的なので、書類の提出は必要ありません。 |
解体工事の手続きについてのまとめ
解体工事の手続き前に施主がやるべきことは沢山あります。解体工事業者に相見積りをお願いして業者を決定するだけでなく、不要品の処分(粗大ごみや電化製品など)や電気、ガス、インターネット回線、電話回線等の停止、浄化槽の汲み取りなど、近隣の挨拶など、さまざまです。
解体工事業者や近隣住民へのトラブルを避けるためにも、一つひとつやるべきことを明確化し、実行することをおすすめします。
最初は難しいと思うかもしれませんが、一つひとつ丁寧に行っていくとそれほど難しくないので、本記事を確認しながら進めてみてくださいね。